そんなワケで以前から挑戦してみたいと思っていた山梨の「七面山」に登って参りました。
法華経の聖地で七面大明神が祀られる霊山で、非常に厳しい苦行の道が待ってると言われる山です。

標高は2000m足らずで道は非常によく整備されていて危険箇所もないですが、
なにしろ麓から頂上までの標高差が1500mあるので、とにかくキツいことで有名らしいです。まさに苦行。
頂上に宿坊があるので一泊するが一般的なのかな?
春分、秋分のお彼岸の時期にはご来光がダイヤモンド富士になるので、
むしろそれ目当ての場合は一泊しないことにはどうにもなりません。
さて、本来は下のような予定で登山口までアクセスする予定だったのですが…
09:30 立川 発 中央線特急あずさ9号
10:35 甲府 着
10:44 甲府 発 身延線特急
11:27 下部温泉 着
11:46 下部温泉 発 はやかわ乗合バス 奈良田温泉行
12:12 七面山登山口・赤沢・角瀬
前日深夜から早朝にかけて大雪の予報でまず中央本線が高尾から先を予告運休に。
これは諦めるしかないかなと思ったんですが、静岡周りで熱海方面からアクセスすれば、
なんとか現地に行けそうなので行ってみることに。

07:28 東京駅 発 JR東海道本線熱海行き
09:14 熱海 着
09:23 熱海 発 東海道本線 富士行き
10:02 富士駅着
10:15 富士駅発 身延線特急 ふじかわ3号
11:20 下部温泉駅 着
11:46 下部温泉 発 はやかわ乗合バス 奈良田温泉行
12:12 七面山登山口 赤沢入口 角瀬
こんな感じ。
列車の遅れが発生する可能性も高いので、念の為に5時起きで熱海まで早めに向かうことに。
ちなみに、表参道のある登山口に行くには角瀬からさらに1時間車道を歩くか、タクシー(2000円くらい)で、
羽衣登山口まで行く必要があるので、予定通りでも登り始めは13時前後という感じ。
下部温泉からのバスの本数が少ないので前泊しない限りはこんな感じしかないですな。

特急も使えないので3時間かけて鈍行で熱海回りで富士駅へ到着。
ここでアクシデント発生。

なんと、雪による倒竹の影響で身延線が身延から先が運休。
特急も運休に。身延駅からも七面山へ向かうバスはあるんですが、
特急電車が運休になったので、どうやってもバスの時間に間に合わないことに。

ここまで来たしとりあえず身延までは行ってみて、
行く道すがらどうするか考えることに。
皮肉なことに静岡に入るといい天気になってきてるんですが。

臨時バスなども特に無いので仕方ないので身延駅から直接タクシーで羽衣登山口まで行くことに。
片道9000円。痛い出費です。
ちなみ田舎でタクシーの数が少ないので、タクシー会社にお願いしてからくるまで1時間以上かかる場合もあるそうで。
今回は運良くタクシーが来たのでそれほど待たずに乗れました。
山間に入っていくと早朝に降った雪が路肩に積もってる様子が。
運転手さんによるとこの時期に麓にこれだけ雪があるのは珍しいそうで。近年、気候が変わってきて不安定すぎて困る!

羽衣登山口には、「羽衣白糸の滝」という有名な滝があるのでせっかくなので見ておきます。
滝の前の像は、女人禁制を解いたお万の方だそうです。
準備運動してストックやグローブ出して出発。
ここから厳しい道のりがはじまります。

参道として整備されているので、道は非常に整っています。
頻繁にベンチが設置されており、途中、4つの坊もあって休憩場になっています。
信仰の山なので参拝者の方向けに手厚く整備されているワケですな。
歩き出して5分もしないで最初の坊「神力坊」が見えてきます。
せっかくなので休憩所は入って、タクシーが思ったより早く来てしまって食べ損なっていたサンドイッチで腹ごしらえ。
机の上にはご自由にどうぞとお菓子の缶や梅干しなどもありました。

ここを過ぎると、溶け切ってない雪が目立つように。
気温が上がって木の上の雪が溶けて雨のようになってるのでびしゃびしゃでシャーベット状ですが、
滑って踏ん張りが効かなくなってきたのでチェーンスパイクを装着。

雪の上に夜間から早朝にかけて気温がものすごく下がる予報だったので、
防寒着も多めに持ってきたので荷物がとにかく重い。
頻繁に設置されている屋根付きのベンチが休憩にありがたいです。

ほぼコースタイム通りに2つめの坊「肝心坊」に到着。
立派な茶屋があるので、温かいものでもお腹に入れて休憩できるかな?
と期待したんですがここも無人、というか4つの坊はすべて無人でした。
登山適齢期は4月から11月らしいのでこの季節はどこもやってないようで。
ただ、飲み物の冷蔵庫は稼働してて、お賽銭に料金入れて勝手に持っていってというスタイル。

この辺りから雪がだいぶ深くなってきます。
例年だと頂上のあたりにいくらか残ってる程度らしいのですがここ数日連続して降った影響のようで。
ただ、先行して登ってる人たちのおかげですっかり踏み硬めれているのでチェンスパ程度でも充分登れました。

中間地点にあたる「中適坊」に到着。
昼過ぎから登ってるのでこんなゆっくり登ってくるの俺だけかなと思ったら、
道中、結構ゆっくり登ってる人たちに行き会いましたね。まあ上に泊まるなら早く行きすぎても暇しますしこんなもんなのかな?
自分は日が暮れてしまわないか焦る気持ちが若干あってペース上げてきたのですが。
ここでコーヒー入れてチョコバーでカロリーを補充。だいぶ足腰にきてます。

歩き続けてるうちは寒さは気にならないんですが、立ち止まってると流石に寒気が。
ただ手が凍えるほどではないのは風がないおかげですかね。時折谷川に開けたところに出ると見える景色が素晴らしい。

4つめの坊、晴雲坊へ到着。
ここまでくると疲労が溜まってフトモモのあたりがつりそうな気配も。
レモンティーを入れてビタミンと糖分を補給しておきます。
尿意を抑える効果があるらしい、ボンタンアメを持ってきてたので食べてみたのですが、
この気温だとカチカチになってて食べづらいことこの上ないですなこれは(笑
尿意に効果があったのかは不明。ちなみにこの坊には水場があります。蛇口から出てるのでたぶん飲めるヤツ。

晴雲坊からゴールの敬慎院までは約1時間ほど。
日が陰ってきて雪がさらに深くなり、気温も下がってきたのでちょっと不安になりますが、なんとか日暮れまでにつけそう。

足腰の限界にきて休み休み進み、敬慎院の山門が見えてきました。
山門をくぐってまっすぐ進むと鐘つき堂が見えてきます。
真っすぐ進んでも敬慎院にいけますが、ここは左手に進むと展望広場にいけます。

この門越しに見える富士山が映スポットらしいですよ。
展望広場の向かいは開けてるので富士山が綺麗に見えます。凄い眺望。

こちらが本日お世話になる敬慎院。
一泊2食付きで6500円。ただし山小屋ではなく宿坊なので非常に質素です。

明るい内にたどり着けたのですが本日は宿泊者が多いので時間押してるのか、
到着早々、一息つく間もなくすぐ夕ご飯食べて、というか部屋入ったらもうみんな食べ始めてるし!
ご飯にオカズ少々といった感じの献立にお酒が付きます。ご飯3杯食べたのですが消費カロリーと釣り合わない気がする!

ご飯の後は急いでお風呂。
ささっと汗を流して、夕方のお勤めに参加。ここでありがたい御経を聞きながら、
七面大明神の像のご開帳があります。
しかし身延山の方と違ってこちらのお坊さんはみんな若い方ばっかりな気がしますな。
まあ厳しい環境だし高齢の人にはしんどいってことなのかな…?
お勤めの作法とか知らないけど、周りは高齢者ばっかりだし、見てマネすればいいよな、
と思ってたんですが、年配の人でもこういう作法ぜんぜん知らないのね…
というか、敬意自体があんまり無い人のが多い感じでええ…ってなってしまった。
ツアーで登って来てる人やダイヤモンド富士目当ての人ばっかりだからなのかねえ。

お勤めの後は部屋に戻るともう布団が敷いてあって9時には消灯。
巻き布団と呼ばれるながーい一枚の布団でみんな寝るワケですが、
こんな季節でも、ペラい敷布団掛け布団1枚なので、寒いし体痛いしでまったく寝れない!
持ってきた防寒着と、ホッカイロで寒さはなんとかなりましたが、ひもじいし体痛いしで
まったく疲れがとれない…
翌朝、4時半起床でしたが少し寝れたので頭はスッキリしてました。足腰の痛みはヤバいですが。
朝のお勤めの後、外に出てご来光を拝むことに。
春分の日と秋分の日だけは、お坊さん達も外に出て朝日に向かってお経を上げるそうでいっしょに外に出ます。
不思議なことに門越しに見える富士山が昨日よりも大きく見えます。雪と雨が降って空気が澄んでるせいなんですかねえ。

あまり風もなく思ったよりも寒さがなく、朝日が出ると日光の暖かさが感じられてなんともいえない感動が。
いい具合に雲海も出てて、なんでもここ数年でもかなり良い感じのご来光だったそうで。
完璧なダイヤモンド富士も観賞できて目的達成。苦労したかいがありました。

朝ご飯も質素。これは早く下山してカロリーがあるものを接種せねば。
7時にはチェックアウトの時間なのであまりゆっくりすることもなく準備したら出発。

もう一度富士山見ておくかと展望広場に行ってみるともう真っ白。
雲が上がってきて風も出てきました。頂上に行ってみる予定だったのですが、
ここから頂上まで往復2時間と結構あるので、やめておくことに。眺望ないガッカリ山頂だしね。
この雪の深さで天候悪化するとシャレにならないので下山することに。
ちなみに展望広場の山門にはライブカメラが設置されてます。
手毬を映り込ませてみたけど、小さすぎてよくわからんな…(笑

裏参道を通って直接角瀬に降りるルートもあるんですが、雪の具合がわからないので、
大人しく来た道で降りることに。
降りで苦戦する心配してたんですが、積もった雪が結構しっかりしてて、
すいすい下山できました。雲も少し下ると晴れてきて気温も上がって温かに。

祝日で人も多い日だしもしかしてやってるかな?
と期待したんですが、この日も途中の坊は無人。完全にオフシーズンってことですな。

コースタイムよりも1時間ほど早く下山。
もともと12時過ぎのバスで下部温泉まで行こうと考えてたんですが、
実は時刻表を見間違えてきて、逆方向のバスの時間で考えてましたこのとき。
なので1時間歩いても余裕で12時のバス間に合うなとか考えてちんたら車道を歩いて角瀬へ。

人里離れてるんですが河川工事をやってるせいで大型トラックが頻繁に行き来します。
まあ道幅せまいとこも少ないのでそんな危険もないですが。
角瀬にはいくつかの宿があって日帰り風呂もやってるとWEBに書いてあったので、
バスくるまでに汗ながしておくかなーと電話で聞いてみたんですが、
いまは3つある宿のうち1つしか営業してない上に日帰りもやってないそうで。
HPもただ更新されてないだけだったのね…がっくり。
で、バス停に行ってみてここで初めて時刻表見間違ってたことに気がつくなど。
いま11時ですが次のバスは14:33とな!?
下山した時点でタクシー呼んでれば、10:33のバスに間に合ったのですが時すでに遅し。

いやむしろ、12:20のバスで奈良田温泉に行って汗流して次のバスで戻っれくれば、
万事解決なのでは…?と思いナイスアイデア!とりあえずバスくるまでの間に腹ごしらえだな!
とこの時は思っておりました…
バス停から2、3分歩いたところにあるレストランへ行ってみることに。

なんでもこの早川町は日本一人口が少ない町だそうなんですが、
ちゃんと営業してるレストランがあって一安心。ポークカレーとブリュレなんかを堪能。
と、食後のコーヒー飲んでると店員と配達らしきおじさんの話してる内容が聞こえてきたのですが、
どっかの温泉への道がガケ崩れて通行止めとかなんとか…ん?温泉?
で、店員呼び止めて聞いてみると、まさしくこれから行くつもりだった奈良田温泉への道だそうで。
当然バスも奈良田温泉には行けないので途中までの折り返し運転になってるとか。なんてこった。

そのままレストランで2時間以上時間潰すという選択肢もあったのですが、
結局タクシーで下部温泉へ移動することに。6000円くらいだったかな…まだ痛い出費。
下部温泉には前に来たことありますが、こんなきれいな温泉施設できてたのね。
一昨年くらいにできたばっかだそうで。
ただまあ…設備は綺麗だけど温泉は温泉…?ってなるくらいの無臭で特徴のないお湯。またしても。
まあ、汗は流せたので良し。受付のお姉ちゃんがやたらヘラヘラしてること除けばいいとこなんじゃないでしょうか。

と思ったけど、すぐ前にいい温泉出てる下部ホテルあるんだしこっち行けば良かったな!?
とちょっと後悔。硫黄泉とアルカリ泉両方楽しめるんだった。
近くだし同じ源泉なんじゃねえの…?と思ってたけど、絶対違うよね…?
…次あればそうします。ええ。
せっかくなので、今回つくったぬい動画も貼っておきます。
てまぬいを連れて行くことでモチベーション上がる気がする俺です。
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