■乾徳山・西沢渓谷 2023年10月24日



 そんなワケで今回は山梨県の乾徳山に登ってきました。
 岩壁を登る鎖場が有名で、前から行ってみたかったところなんですが、
 バスでのアクセスが平日は時期季節限定なのでタイミングがなかなかあわず、
 今回やっと挑戦できた次第。

 最寄り駅は塩山駅になるのでJR中央本線を乗り継いで向かいます。
 朝の早い時間帯だと特急がないので普通列車でのアクセス。

 06:38 西国分寺駅
 07:07 高尾駅
 08:12 塩山駅
 1518円

  

 塩山駅まから08:30発の西沢渓谷行きのバスへ乗車。
 10/1から11/23までの間だけですが平日はも運行してます。期間外だと平日は登山できる時間のバスはありません。

  

 平日ですけど登山客結構いますが、甲武信岳や鶏冠山の登山口もある西沢渓谷へ行く人が多いようで。
 およそ30分ほどで乾徳山登山口へ到着。降りたのは俺とあと一人だけでした。

  

 バス降りたところには少し離れたところに公衆トイレがありますが和式トイレなので駅で済ましておいたほうが無難ですな。
 すぐ近くに民宿の建物や看板がいくつかあるんですがどれも廃業している様子。
 カフェの看板もありますが、営業しているのは土日だけだそうで。自販機は使えます。

  

 さて、公共交通機関で乾徳山にチャレンジする場合、問題になるのが帰りのバスの時間。
 塩山行きのバスと、山梨市駅行きのバスの2つの路線のバス停があるんですが、
 塩山行きの最終が16:08、山梨市駅行きの最終は16:51となっております。
 そして、乾徳山の標準コースタイムは往復でおよそ7時間半ほど。
 バスの到着が、09:02……ギリギリというか休憩なしでギリギリなので全然間に合わない計算。

 そこで考えた苦肉の策が下山口から徒歩でアクセスできるところに宿をとろうというもの。
 乾徳山の登山レポートを色々探してたら、登山口から1時間半ほどのところに温泉宿があってそこに前泊した、
 というものを見つけまして。前泊だと下山後に温泉楽しめないし下山後に利用すれば帰りのバスの心配ないなという作戦。

 ただまあそれでも下山後に1時間半の車道歩きはキツイのでなんとかバスの時間に間に合えば宿の近くまでバスで行けるので、
 できるだけ巻いていって時間短縮するタイムアタックがはじまったわけであります。

  

 トイレを済ましたら登山を目指して出発。
 集落の中を暫く歩くワケですが…なんか家の軒先にことごとく超デカイスズメバチの巣があるのなんなんですかね…
 競ってんのかなってくらい各家にみんな複数つけてんの怖いんですけど…絶賛活動中で盛んにでかいのが巣に出入りしてるし。

  

 社の脇の抜けて林道を暫く進むとやっと登山口。20分ほどかかるので結構歩きます。
 定番の熊出没注意の看板がありますが、看板の近くにクマのフンがあったので説得力ハンパなかったです。ええ。

  

 登山口からいきなり急登で石がゴロゴロしてる道でこれは難儀しそうだなと思わされますが、
 暫く歩いて開けたところに出るとすぐ歩きやすい道に出ます。
  

 途中、銀晶水という大層な名前のついた水場がありますが枯れてしまっています。
 というか、野生動物にでも掘り返されたのか破壊されている感じ。イノシシかクマが掘り返したのかな?

  

 暫くは歩きやすい道が続くので速度を上げて距離を稼ぎます。
 熱すぎず寒過ぎずいい時期なので快適に歩けていていいペース。

  

 駒止までくると、傾斜がキツくなってきますがそれほど難儀するようなところはナシ。
 駒止は少し広くなっているので小休止入れましたが時間的にもまだまだ余裕。

  

 2つ目の水場、錦晶水に到達。ここはちゃんと水が出ています。
 ただ、斜面を流れてきてる雨水を集めただけのような感じなので直飲みは躊躇われますな。
 一応、あとで沸かしてコーヒー飲むようにボトルに入れておきましたが。

  

 明るく開けたところへ出ると国師ヶ原へ到着。
 麓の牧場から繋がる草原なんですが、牧場はいまは閉鎖され、ソーラーパネルが設置されていて、
 上から見ると残念な姿を晒しているのが頂上付近から見えます。

  

 この草原地帯は核心部へ至る手前の中間地点で高原ヒュッテという無人の山小屋もあります。
 なかなか立派な建物でトイレもあるので、下山が時間的に無理なときはここに泊まるのもありかもですな。


  

 さらに登るとススキ原の合間にある道を登る感じになりますが見晴らしが一気に開けて振り返ると富士山をバックに、
 山並みと町並みが見渡せてなかなかの景色。

  

 中腹に「月見岩」という大きな岩があって少し開けているので休憩に良いポイント。
 ここから先が本番といってもいいので、ここで大休止することに。かなり飛ばしたので時間もまだ余裕。

  

 月見岩は裏側からゆるい傾斜で簡単に登れるのでこの上から景色眺めると素晴らしい景色が見られます。

  

 登ってきたススキ原や一部紅葉した山並みが見渡せます。この時期来て正解だったかも。

  

 景色を眺めながらカップヌードルをガツガツ食べてエネルギーチャージ。
 奮発して特上カップヌードルにしました。うまし。

  

 英気も養ったので核心部にとりかかることに。
 ここから頂上までおよそ1時間ですが、岩場の連続となります。

  

 鎖場がいくつかありますが足場もしっかりしてるので特に問題なし。
 途中、髭剃岩という奇岩がありますが、この隙間は別に通らなくても上に行けます。
 挟まって抜けなくなったら死にそうなので試してません。

  

 岩場をグローブつけて登っていきますが足場はしっかりしてるのでそんなに危険はないかな。
 ただ、見晴らしが良すぎて結構な高度感なのでちょっと怖いかも。

  

 一旦ハシゴで下に降りて周りこんで進むと、カミナリ岩に到着。
 少し長い鎖場ですが、デコボコが多く傾斜もあるので特に難しいところもなく登れます。

  

 全体像はこんな感じ。
 あぶない箇所はないんですが人気のルートだけに、岩が磨かれてツルツルになってるので、
 焦らず慎重に行くに越したことはないかな。

  

 ロープの岩場を抜けると頂上手前の難所、鳳岩が見えてきます。
 乾徳山の写真で必ず出てくる有名な鎖場ですな。
 先客がいましたけど、女性の方たちは右手にある巻き道を進んでいかれました。

  

 20mくらいあるほぼ垂直な岩壁なので登るにはそれなりに腕力がいります。
 ただ、まあ足がかりはあるし壁もツルツルではないので足もかかるし、
 四阿山の壁に比べれば余裕です。伊豆ヶ岳の男坂のほうが高さあるぶん大変なくらい。

  

 ささっと登って頂上に到着。
 360度見渡せる大展望の頂上で眺めが大変素晴らしい。
 ただ、岩場な上に狭いので、ゆっくりするには向かないですな。
 お茶入れて一息ついたらそそくさと下山。

  

 ピストンも可能ですがあの鎖場を下るのは登って来る人と鉢合わせもいやなので反対側へ降りて破線ルートの、
 下山道へ進むことに。こっちであってるのか?って不安になるような細い道ですが赤ペンキやピンクリボンあるので、
 不明瞭ってほどでもありません。ルートへの入り口も看板ありますしね。

  

 看板にもあったガレ場の急下降箇所だけは注意が必要。
 結構な急斜面に滑りやすい岩に落ち葉積もってるのでロープつかって慎重に。

  

 ほかは基本道が整ってるのでぐんぐん速度上げて時間を短縮。
 コースタイムより1時間以上早く、高原ヒュッテまで戻ってこられました。

  

 といっても15:08のバスには間に合いそうにないので山梨市駅行きの15:30のバスを目指して速度を上げます。
 まだ15時前ですが、下の方の樹林帯が深い地帯は日が入らなくなってすでに薄暗い感じ。16時には暗くなってしまいそう。

  

 下山口見えたのが15:00だったのでなんとか15:30のバスには間に合いそう。
 あまり休憩取らずにとにかく急いだので流石にしんどかった…

  

 山梨市駅行きのバスに乗車し、一ノ橋で下車。
 今日の宿の一ノ橋館へ向かいます。バス停から3分くらいの距離かな。

  

 かなりくたびれた感じの古い宿ですが1名から泊まれて一泊2食付きで1万円ちょい。
 しかも前日でも予約できるという実にありがたい存在。

  

 まあお世辞にも掃除行き届いている感じではないんですが暖房も冷蔵庫もあるし、
 なにより下山して温泉つかれてご飯出てくるだけで俺は満足ですよ。Wi-Fiもあるしね。
 ご夫婦二人だけで切り盛りしてるようだし、むしろ凄い頑張ってるよなあ…

  

 温泉は温度低いので沸かし湯ですが湯口がジャグジーみたいになってるのがちょっとうれしい。
 宿泊客は例によって俺一人の貸し切りだったので誰にも気兼ねせずゆっくり堪能してしまった。

  

 こういう素朴で安い宿のあるあるですが、食事の量がとにかく多い!
 エネルギーを消耗しまくってるのでむしろありがたかったですが平時だと食べきれない量だったな…
 ご飯おひつを空にしてしまったので、ビールやりながらオカズを片付けて満腹で就寝。

  ■ 乾徳山・西沢渓谷 2日目 へ








<back