そんなワケで念願の福島県、安達太良山に登ってきました。
以前から行く計画はしてたんですが、どうにも天候に恵まれず断念してきたんですが、
秋めいてきてこの辺りがラストチャンスかなと、天気は多少不安があったものの強行することに。
さて、安達太良山へのアクセスなんですが、公共交通機関を使っていく場合、
一般的な最寄り駅は二本松駅になります。
そこから登山口というか安達太良山ロープウェイへのバスが出てるんですが、
平日は1本しかバスがなく、そのバスには新幹線の始発でもわずかの時間差で間に合わないんですな。
シーズン中の土日には新幹線の後の時間にバスがあるんですが、混雑を避けて平日に行動する主義の俺としては、
前泊してその1本しかないバスで行くしかないワケでして。
というワケで初日の10月3日は、前泊地になる二本松へ向かうだけ。
二本松へ着いてもやることがないので新幹線は使わず普通列車で向かってみることに。
宇都宮、黒磯、新白河、郡山とそれぞれの路線の終点まで行って乗り継ぎ、
最後に郡山から東北本線で二本松と、4時間40分の道のり。
お昼すぎに出発して、二本松に到着する頃にはすっかり日が暮れてましたよええ。
深夜高速バスという手段も考えたんですけど、それだと4時過ぎについて始発まで時間潰す苦行もあるので、
体調のことを考えるとまあこれしか無いかなと。新幹線使えばだいぶ短縮されるんですけど、ここのところ競馬も負け続きなので微妙に節約?した感じです。
駅を出てホテルへ向かうとなんかお祭りをやっているようで。
屋台も出ているので後で覗いてみようかなと。
宿泊したのはアーバンボテル二本松。
ふつーのビジホで温泉や大浴場はないですが、前泊用なので十分。
もともとご飯は辺りの飲食店で食べるつもりだったんですがせっかくなのでお祭りの屋台で済ますことに。
やっていたのは、ちょうちん祭りというお祭りでやぐらに連なった提灯が掲げられたお神輿が神社まで練り歩くというなかなか見応えのあるもの。
結構な人混みだったので遠くから眺めて満足したら、屋台を巡って夕食を買い込む…無計画に買ってしまって結構な出費になってしまい、
新幹線代を節約した意味がなくなりそうでちょっと失敗。お祭りの雰囲気の飲まれたな。
翌朝は1本だけのバスで奥岳登山口へ
人気の山だけあって平日でもそれなりに登山者がいるようで。
途中、岳温泉を通りますが「ニコニ共和国」なる看板が出ていて、
なにかと思ったらかつてのミニ独立国家ブームの名残だそうで。なにその怖いブーム。
いまはもう活動してなくて元国会議事堂の看板が残るだけのようで。
30分ほどで奥岳に到着。
ロープウェイ駅になっていて、スキーのゲレンデになっており、
なんと温泉施設まで併設されてる!……もうちょっと交通の便よくてもよくない?
逆にここに下山してきた場合も帰りのバスが1本しかないのでなかなか難しいんですよな。
岳温泉まで歩く、という選択肢もあるんですが、歩けない距離ではないけど、車道歩きを何時間も、はぞっとしないんだよなあ。
上で一泊するので時間には余裕があるので、ロープウェイは使わずに登山口を登るわけですが、
遊歩道は、7月にあった大雨で、架けられている橋が全部流出してしまったそうで通行止めに。全部て。
幸い、登山道の方は無事なので登山には問題なし。
ちなにに一緒のバスで来た他の登山者はほぼ全員がロープウェイで上に登っていかれました。
ただスキー場のゲレンデ脇につけられた道を登るだけなのであまり面白みはないかも。
五葉松平の手前あたりからちょっと登山道らしくなってきますが、ほんの短い区間。はしごもあるけど一箇所だけだしね。
五葉松平までくると視界が広がって良い景色が楽しめますな。
頂上も見えますが…これは…おっぱい!
ロープウェイ駅のある薬師岳までくるとよく見えるんですが、
安達太良山は、別名乳首山といいまして、山頂はまんま乳首という名称なんですな。
ロープウェイを使用せずにここまできた場合、1時間半くらい余計にかかる感じ。
この辺りまでくると紅葉がはじまってて、まだ色づき始めという感じではありますが、
なかなかの展望。智恵子抄の「この上がほんとの空」の標識もこの薬師岳にあるんですが、
ロープウェイできてる観光の人はあんまり見向きしてない感じでしたな…まあ曇ってるしね。
ここから頂上へ向けて、しばらくは木道が整備されてます。
途中から砂利道の階段、岩がゴロゴロした砂地となっていきます。
頂上が近づくにつれ、結構木々が色づいてきてる!
紅葉にはまだ早いと思ってたのでまったく期待してなかったんですがこれはラッキーかな。
あいにくのくもり空ですが風があるのでときどき晴れ間が。
薬師岳にくるまで誰一人行き会わなかったんですが、ロープウェイ駅から上は結構な人。
乳首が見えてきたら頂上までもう一歩。
頂上付近は、粒子の細かそうな砂地になってます。
乳首にはハシゴがかけてあって登れるようになってます。
付近に荷持をデポして上に登るのが吉。上には祠があってここが真の頂上って感じですかね。
頂上踏んだ後は眺めが良くて落ち着けるとこを見つけてカップヌードルでお昼に。
ただこの付近は風が強いので、あたりの粒子の細かい砂が舞い上げられてホコリまみれになる!
地図には休憩に最適って書かれてるけど…正直オススメできません。
スープが砂でじゃりじゃりに…まあ確かに眺めはいいんですが。
で、ラーメンを啜りながら景色を見てると奇妙なモノが…
なんか黒い漏斗型の陰が見えるんですが竜巻…?と思ったらどうやら福島市内で発生した火災の煙だったようで。
ラーメン食べ終える頃には沈下したのか、見えなくなってました。
休憩を終えて今度は、今日の目的地、くろがね小屋方面へ。
頂上のわきを抜けて進むと牛ノ背と呼ばれている尾根道が見えてきます。
この牛ノ背から、安達太良山の爆裂火口が左手に見えるわけですが。
これがなかなかの迫力。
那須岳とか富士山とかの火口がおもったよりショボかったのに対してこちらは大迫力。
ゆっくり眺めたいとこですけど、地形的なモノなのか恐怖を感じるくらいの突風が吹き荒ぶので、
あんまり長いできるような感じではないです。ヤバさをヒシヒシ感じるとこですな。
牛ノ背を通り過ぎて今度は右手に見える斜面を降りていくと、くろがね小屋がみえてきます。
ザレ気味の斜面を降りていく感じですが傾斜はユルいし、目印もたくさんあるので特に難しいところはないかな。
紅葉の見事なコントラストの中に埋もれるようにして立っている山小屋の姿はぐっとくるものがありますな。
くろがね小屋のすぐ裏手には、岳温泉の源泉地がありますが、
危険なのでもちろん立ち入り禁止。
くろがね小屋はその源泉から直結の最高の温泉がたのしめるという素晴らしい山小屋。
日帰りの入浴もやってますが、13時までなので、温泉目的の人は注意。泊まりなら20:30まで入り放題。
この温泉が目的で、ここまでやってきたと行っても過言ではない。
立派な外観の山小屋ですが、近く建て替えが決まっておりまして、
いまのところ来年の3月までの営業だそうで。冬季はそれなりの装備がないと無理なので、
この秋がラストチャンスかなと焦ってたわけです。
平日にも関わらず20名ほどの宿泊客が。
グループごとに部屋割りされるので俺は10号室を独り占め。
ただ、ハシゴでいちいち登り降りしないといけないしんどい部屋。
なにより入り口が狭いのがキツイ!!
ちなみに、コロナの関係で寝具の貸出がない山小屋なので自分で寝袋とマットを持参する必要があります。
そのぶん、宿泊費はお安く設定されてますが。
こちらはそのお風呂。
一度に入れるのは3人までで受付にある木札を取って入浴する方式。
源泉かけ流しで常にお湯が溢れてる最高の温泉。硫黄臭も強めで俺好みです。
那須温泉の鹿の湯を思い出すなあ。
汗を流して体がポカポカして熱いくらいなので涼みつつあたりを散策。
紅葉がいい感じに進んでいて、最高の景色。いままで行った山小屋でもかなり上位かも。
トイレが和式汲み取りなのと、寝具がないとこだけが残念だけど、立て直しされたら変わるだろうしね。
夕食はカレーなんですが、具が大きめで凄く俺好みの味付け。
色んな山小屋でカレー食べたけど、ここのカレーが一番かも。最近食欲なかったのに、3杯おかわりしてしまった。
夕食後は読書して、お腹が落ち着いたらもう1回温泉に入り、持ってきた安物のマットと寝袋で就寝。
今回くらいしか使う予定ないので間に合わせで買ったものだけど、意外にどっちも具合良くてビックリですよ。
安達太良山 後編の日記に続く。
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